屋根塗装用の塗料の種類は?特徴や選び方を徹底解説

屋根の塗り直しを検討しているものの、「自宅の屋根に適した塗料の種類がわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

屋根塗料には多くの種類があり、耐用年数や費用相場はそれぞれ異なります。どの塗料を選択するかによって屋根材の耐用年数にも影響するため、塗料の種類や特徴をよく知ったうえで選ぶことが大切です。

そこで本記事では、屋根塗装に使われる塗料の種類や特徴、費用相場について解説します。最適な塗料を選ぶためのポイントも紹介しているので、屋根塗装を検討している方はぜひ参考にしてください。

屋根塗料の種類と特徴

屋根に使われる主な塗料は、アクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料・フッ素塗料・無機塗料の5種類です。それぞれの耐用年数と1平方メートル当たりの単価の目安は、以下のように差があります。

屋根塗料の種類耐用年数単価の目安(1平方メートルあたり)
アクリル塗料3年〜8年1,000円〜1,800円
ウレタン塗料6年~10年1,800円~2,000円
シリコン塗料8年~15年2,000円~3,000円
フッ素塗料15年~20年3,000円~4,800円
無機塗料20年以上5,000円~6,000円

屋根塗料の耐用年数は3年~20年以上と大きな幅があり、耐用年数が長いものほど費用も高くなる傾向があります。どの塗料を選ぶかによって仕上がりや性能も異なるため、それぞれの特徴をしっかりと把握することが大切です。

希望に合った屋根塗料を選ぶために、5種類の屋根塗料の特徴を詳しくみていきましょう。

アクリル塗料

以前は、アクリル塗料が外壁塗装の代表格として多く使用されていました。しかし、耐用年数の長い種類が多く登場したため、現在では新築時にも塗り替え時にもほとんど使用されていません。

アクリル塗料は1平方メートルあたり1,000円〜1,800円程度と低価格で塗装できるのがメリットですが、耐用年数が3年〜8年と短い点がデメリットです。費用のみで安易に選ぶと数年後に再塗装をすることになり、費用や手間がかかってしまうこともあるため注意しましょう。

建て替えや住み替えの予定がある場合には、アクリル塗料を検討しても良いかもしれません。また、カラーバリエーションが豊富で発色も良いため、何度も塗り替えながら暮らしたいという方にはピッタリの塗料です。

ウレタン塗料

ウレタン塗料は、アクリル樹脂にウレタン樹脂を添加した塗料です。

汎用性が高く、木部・金属・プラスチックなどさまざまな素材に塗装できるため、雨どいなどの複雑な形状をした部分の塗装にも適しています。塗装の膜がやわらかいため、ひび割れが起こりにくく、美しいツヤで高級感のある仕上がりが魅力です。

耐用年数は6年~10年とほかの塗料と比較すると耐久性が劣りますが、1平方メートルあたり1,800円~2,000円程度とリーズナブルなので、コストを抑えて塗装したい方に向いています。

シリコン塗料

シリコン塗料は、価格と耐久性のバランスが優れた塗料です。1平方メートルあたり2,000円~3,000円程度で塗装でき、10年以上の寿命も期待できることから、高い人気を誇ります。

種類が豊富で好みに合うものを選べることや、透湿性があり内部結露を防ぐため、屋根材の耐用年数を延ばしてくれるのも魅力です。

シリコン塗料には水を混ぜて使用する水性塗料と、シンナーを混ぜて使用する油性塗料があります。水性塗料は施工中のにおいが少なく環境に優しいのが特徴で、油性塗料は水性塗料よりも耐久性に優れています。

また、1缶のペンキだけで塗装する1液型は比較的リーズナブルな費用で塗装できますが、2つの缶を混ぜる2液型のほうが耐久年数が長い傾向があります。それぞれの特徴を理解したうえで塗料を選びましょう。

フッ素塗料

フッ素塗料は、テフロン加工のフライパンにも使用されているフッ素樹脂を使用した塗料です。水をはじくはっ水性能のある強固な塗膜は耐久性が高く、環境が過酷な屋根の塗装に適しています。

1平方メートルあたり3,000円~4,800円程度と費用が高額ですが、耐用年数は15年~20年と長いため、美しい状態の屋根を長期間保つことができます。

初期費用がかかっても将来の屋根塗装にかかる手間を最小限に抑えたい方や、長く住み続ける予定がある場合におすすめです。

無機塗料

無機塗料は、セラミック・ケイ素などの無機物を主原料とした塗料です。

塗料のほとんどは有機塗料で、屋根塗装では紫外線による塗膜の劣化が起こっていました。そんな問題を解決するために開発されたのが無機塗料です。紫外線や雨風による劣化が起こりにくい性質をもつ無機物を使用することで、長寿命を実現しました。

シリコン樹脂やアクリル樹脂といった有機物だけを使用した塗料よりも燃えにくく、コケやカビが発生しにくいというメリットもあります。

1平方メートルあたり5,000円~6,000円程度と高額ですが、20年以上の長い耐用年数が見込めるので、長い期間塗り替えをせずに過ごせます。無機塗料が劣化する前に屋根材が傷んでしまうケースも考えられるので、屋根材の耐用年数も考えたうえで検討しましょう。

屋根塗料の特殊機能の種類

「夏場に暑すぎて困っている」「できるだけ長持ちする屋根塗装がしたい」といったお悩みを解決できる、次のような特殊機能を持った塗料もあります。

  • 遮熱塗料
  • 断熱塗料
  • 光触媒塗料
  • ラジカル制御型塗料

遮熱塗料や断熱塗料を選ぶことで、省エネや光熱費の削減にも繋がります。最近登場したラジカル制御型塗料は耐用年数の長さから注目されている塗料です。

それぞれ詳しく解説していきます。

遮熱塗料

遮熱塗料は、太陽光を反射して屋根の温度を下げる機能を持った塗料です。

屋根は表面温度が60℃以上になることもあります。遮熱塗装をすることで室内温度の上昇を抑える効果が期待できるので、室内温度を下げたい方や、エアコンなどの光熱費を削減したい方におすすめです。

ただし、夏の暑さは緩和できますが、冬の寒さ対策にはならないので注意してください。

遮熱塗料にはさまざまなグレードのものがありますが、塗膜の表面が汚れた状態だと熱を反射する機能がうまく働かないため、防汚性のある塗料を選ぶのがおすすめです。

断熱塗料

断熱塗料は、熱の移動を緩やかにし、室内の温度を安定させる効果を持つ塗料です。家の熱が外に逃げないように、かつ、外部からの熱が伝わらないようにする性質があります。

夏の暑い時期は屋外からの熱が伝わらないようにして涼しく保ち、冬の寒い時期は室内の熱を逃しにくくして暖かさを保つ効果が期待できます。

断熱効果が高いと冷暖房の稼働率を下げることができるため、省エネや光熱費の削減にも繋がるでしょう。

外壁に使用できる遮熱塗料や断熱塗料も販売されているので、屋根には遮熱塗料、外壁には断熱塗料と使い分けるのもおすすめです。

光触媒塗料

光触媒塗料は、自浄機能を持つ塗料です。

太陽光や紫外線にさらされると光触媒作用という化学反応を起こし、塗膜の表面についたの汚れを分解します。この自浄作用により、雨が降ると汚れが自然に流れ落ちるので、美しい状態の屋根を長期間保つことが可能です。

さらに除菌・抗菌作用もあるため、カビの発生を抑制し、清潔な環境を維持してくれます。

ラジカル制御型塗料

ラジカル制御型塗料は、塗膜の劣化因子である「ラジカル」という物質の発生を抑えたり閉じ込めたりすることで、塗膜の劣化を遅らせる塗料です。

紫外線や雨風などの外的要因による劣化に強いため、塗料の耐用年数を長くする効果があり、屋根塗装のサイクルを延ばすことができます。

初期費用は高めですが、将来のメンテナンス費用を抑えたい方や、再塗装の手間を省きたい方に適した塗料です。

ただし、最初の商品が発売されたのが2012年とまだ歴史が浅く、何十年と使い続けた場合の実績が少ない点はデメリットといえるでしょう。

屋根塗料を選ぶポイント

屋根の塗料にはさまざまな種類があります。多くの塗料のなかから自宅の屋根に最適な屋根塗料を選ぶためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。

屋根塗料を選ぶ際のポイントは次の4つです。

  • 耐用年数で選ぶ
  • 予算に合わせて選ぶ
  • 塗料の機能で選ぶ
  • ワンランク上の塗料を選ぶ

それぞれ詳しく解説していきます。

耐用年数で選ぶ

屋根塗料は種類によって耐用年数に大きな違いがあります。そのため、あまり長く住む予定がない場合や頻繁に塗り替えたい場合はウレタン塗料、こまめなメンテナンスが苦になる場合はフッ素塗料など、希望の耐用年数に合わせて選ぶと良いでしょう。

屋根は頻繁に塗装できない場所なので、長持ちする塗装がよいと思うかもしれません。しかし、長期間持つ塗料を塗ったとしても、下地が先に劣化して修理が必要になる場合もあります。

フッ素塗料や無機塗料など長寿命な塗料を塗る場合は、下地の状態もチェックしておくと安心です。

予算に合わせて選ぶ

塗料は性能や耐用年数が上がるほど塗装費用も高くなっていきます。

ウレタン塗料は6年~10年と耐用年数が短いため、こまめな塗り直しが必要です。しかし、そのぶん費用が安いので、初期費用を抑えて塗装したい方に向いています。

一方、無機塗料は耐用年数が20年以上と長いのが特徴です。初期費用が高くなりますが、1回の塗装でウレタン塗装の2~4回分をカバーできるため、長い目でみるとトータルの費用はこちらのほうが安くなるかもしれません。

屋根塗装を選ぶ際は初期費用だけではなく、トータルの費用や塗り替えの手間を考慮したうえで予算に合った屋根塗装を選ぶ事が大切です。

塗料の性能で選ぶ

性能から塗料を選ぶ方法もあります。

例えば、湿気が多い地域に住んでいる場合は、透湿性によりカビや藻の発生を抑制してくれるシリコン塗料を選ぶと良いでしょう。また、美しい状態を長期間保ちたい場合は、無機塗料がおすすめです。

夏場に2階の部屋が暑くて仕方ないという場合は遮熱塗料を、夏の暑さと冬の寒さ両方を対策したい場合は断熱塗料を付加すると効果的です。とくに、黒色の屋根を希望する場合は太陽の熱を吸収しやすいため、耐熱塗料や遮熱塗料を検討すると良いでしょう。

ワンランク上の塗料を選ぶ

屋根塗装には、外壁よりもワンランク上の塗料を選ぶと良いでしょう。

屋根には、紫外線などを遮るものがありません。晴天時には太陽の光が降り注ぎ、荒天時には雨ざらしになるなど、自然環境の影響を受けやすい場所です。

そのぶん塗料の劣化も早いので、外壁と同ランクの塗料を使用すると、屋根だけ先に劣化してくるケースがあります。

例えば、外壁はシリコン、屋根はフッ素などワンランク上の塗料を使用することで、外壁と屋根を同じ時期に塗り直すことができるのでおすすめです。

まとめ

今回は、屋根塗料の種類と自宅にな屋根塗料の選び方について解説しました。

屋根塗装に使われる主な塗料はアクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料・フッ素塗料・無機塗料の5種類で、それぞれ耐用年数や費用相場、特徴が異なります。

断熱塗料などの特殊機能を持つ塗料を使用すれば、住宅環境のお悩みも解決できるかもしれません。

各塗料のメリットやデメリットをしっかりと見比べたうえで、自宅の屋根に最適な塗料を選んで、満足のいく屋根塗装を行ってくださいね。

記事の監修者

長江勝彦

長江 勝彦

1966年創業、外壁番長の代表取締役。地元、富山県を中心に住宅のリフォーム・塗装業務を行っており、これまで500件以上の施工実績を持つ。

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