屋根点検の費用は?自分で点検する方法・業者選びなど基礎知識を徹底解説

「屋根の点検ってやらなきゃいけないの?自分でできる?」

そんな方のために、この記事では屋根点検のよくある疑問をわかりやすくまとめています。

普段あまり意識して見ない箇所なので、いざ点検したいと思った時、何をしたら良いか疑問が多いですよね。

この記事を読んでわかることは、主に以下の5つです。

  • 屋根点検のタイミング
  • 自分で屋根点検を行う方法
  • 屋根点検でチェックすべきポイント
  • 屋根点検の費用相場
  • ドローンを使った屋根点検について

屋根点検の基本的な知識を学んで、安全かつ適切に屋根点検を行えるよう、ぜひ最後までお読みください。

屋根を点検するタイミングは?

屋根の点検は、そこまで頻繁に必要なわけではありません。

点検をするタイミングは、以下の2つです。

  • 5年に一度
  • 台風や大雨、地震など自然災害の後

1つずつ詳しく説明します。

5年に一度

気になることがなくても、5年に一度は点検を受けるのがおすすめです。

屋根に上らずに目視で確認できる範囲には限界がありますよね。

見えにくい箇所の異変が見つかるかもしれませんし、早めに発見できればその分補修費用も少なく済みます。

業者に点検を依頼しても、必ず工事をしなければいけない訳ではありません。

人間の健康診断と同じように安全を確認する気持ちで、定期的な点検を受けるようにしましょう。

台風や大雨、地震など自然災害の後

台風や大雨、地震など自然災害が起きた後は、早めに点検を行いましょう。

風で飛んできた物が屋根にぶつかって屋根材が割れたり、地震で屋根材がずれたりしている可能性があります。

被害を受けた箇所が少なければ、すぐに悪影響が出るわけではありません。

ですが放置していると、屋根材が割れたりずれたりした隙間から雨水などが侵入し、雨漏りが起こることも考えられます。

雨漏りが起きてからだと補修費用が大きくかさんでしまう可能性もあります。

自然災害が起こったら、早めに点検すると安心です。

自分で安全に屋根を点検する方法

点検の必要性はわかったけど、業者に屋根点検を依頼するのはハードルが高いと感じられている方も多いでしょう。

そんな方のために、自分で屋根の点検をする方法もご紹介します。

ただし、屋根に上るのは危険なので絶対にやめましょう

あくまで安全にできる範囲で点検を行う方法なので、細部まできちんと点検したいと思ったらやはり業者に頼むのが1番なことは覚えておいてください。

2階から1階の屋根を見る

1番簡単なのは、2階の窓やベランダから1階の屋根を見ることです。

見られる範囲は限定されますが、塗装の色あせ、苔やサビの発生、屋根材の割れなどは目視でも確認できます。

ただ、屋根は場所によって劣化スピードが違います。

日当たりが良い場所は紫外線で劣化しやすいですし、逆に日当たりが悪い場所は苔やカビの発生する可能性が高いです。

1か所見て何もないから大丈夫という訳ではないことは留意してください。

自宅の周辺から確認する

家の近辺に高台や高い建物があれば、そこから確認できる場合もあります。

遠目での確認にはなりますが、塗装の色あせを周囲の家と比較することもできますし、屋根材がずれていれば気付きやすいでしょう。

できる場所は限られてしまいますが、お手軽にできる点検方法です。

屋根裏を確認する

押入れの天井や天井点検口から屋根裏をのぞいて、異変がないか確認するのも点検方法の1つです。

木部にシミがあったり、断熱材が湿っていたりしたら雨漏りが起こっている可能性があります。

のぞいて見るだけではなく、屋根裏の中に入り込んで確認する場合は天井を踏み抜かないように気を付けてください。

屋根点検でチェックするポイント

屋根点検をする際にチェックすべきポイントは、以下の3つです。

  • 塗装の色あせ、ひび割れ、サビ
  • 屋根材の割れ、ズレ
  • 屋根材の浮きやゆるみ

ただ何となく見るより、「ここを確認する」と思って点検した方が異変が見つけやすいです。

1つずつ解説しますので、ぜひ3つのポイントを押さえましょう。

塗装の色あせ、ひび割れ、サビ

1つ目は、塗装の色あせやひび割れ、サビなど屋根表面の変化です。

以下に、屋根材別に起こりうる症状をまとめます。

  • 瓦屋根:苔やカビ
  • 金属屋根:塗装の色あせ、ひび割れ、サビ、苔やカビ
  • スレート屋根:塗装の色あせ、ひび割れ、苔やカビ

瓦屋根は基本的に塗装不要のため、塗装の色あせは起こりません。

金属屋根・スレート屋根の場合、見た目が白っぽくなったり触ると白い粉がついたりする場合は塗装が劣化しているサインになります。

屋根材の割れ、ズレ

2つ目は、屋根材自体の割れやズレです。

屋根材の種類に関わらず起こりうる症状のになります。

割れやズレが起こる原因としては、強い風で物が飛んで来てぶつかる、工事などで人が屋根に上がった際に踏まれた、などが考えられます。

屋根材の割れとズレは、それによって生じた隙間から雨水が入り込んで雨漏りに繋がる可能性もあるため、注意深く確認することが必要です。

屋根のひび割れに関しては、「屋根のひび割れは放置NG!原因と補修方法・費用を解説」の記事も参考にしてください。

屋根材の浮きやゆるみ

3つ目が屋根材の浮きやゆるみです。

自然災害や劣化によって、屋根材を止めているビスや釘がゆるんでくると屋根材も浮きやゆるみが生じます。

ひび割れと同様に隙間から雨水が入りやすくなる他、強風で飛んで行ってしまったり地震で落下したりする可能性もあります。

多少の浮きだと自分で見つけるのは難しいので、しっかり点検したければやはり業者に依頼するのが安心です。

屋根点検の費用相場

屋根点検の費用は正直なところ、業者によって差があります。

目視のみなら無料でできる業者も多いですが、きちんと点検をしてもらうなら5000円~15000円が相場です。

ただ、屋根の工事を前提とした点検であれば無料でやってもらえるでしょう。

無料を売りにしている業者の中には、点検後に高額な修理の見積もりが出てきて契約を迫るなど悪質な業者もいます。

無料が必ずしも良い訳ではないのです。

点検の内容と方法・点検費用・その後の費用発生の可能性などは事前に必ず確認し、信頼できると思った業者に依頼するようにしましょう。

ドローンを使った屋根点検ってどんなもの?

最近ではドローンを使った屋根点検を行う業者も増えてきています。

ドローンで屋根点検を行うメリットとデメリットについても、知っておきましょう。

ドローンで屋根点検を行うメリット

ドローンで屋根点検を行うメリットは以下の6つがあります。

  • 短時間で点検を行える
  • 屋根が傷むリスクが無い
  • 安全に点検ができる
  • 調査費用が抑えられる
  • 屋根の高さや形状に制限がない
  • 業者と一緒に屋根の状態を確認できる

1つずつ解説します。

短時間で点検できる

広範囲を一度に確認できるので、ドローンは人よりも短時間で点検を終えられます。

点検時間だけではなく、はしごや足場の準備や落下防止のための準備なども不要のため、全体的な作業時間が短縮できます。

屋根が傷むリスクが無い

ドローン点検は人が屋根に上がらないので、点検によって屋根材が割れたり傷んだりする心配が不要です。

屋根材が劣化していると、人の体重がかかった時に割れてしまうことがあります。

充分注意して歩いていても、点検時に割れてしまう可能性は0ではありません。

お客様と業者双方にとって大きなメリットです。

安全に点検できる

人が屋根に上がる必要がないので、落下の心配もなく安全に点検が行えます。

安全対策のための時間や手間も省けます。

調査費用が抑えられる

お家の場所や形状によっては、足場を使わないと屋根の点検ができないこともあります。

そして足場は部分的であっても数万円はかかります。

ドローンだとその分の足場代を浮かせることができるのです。

屋根の高さや形状に制限がない

人が点検をする場合、3階建てのお家や急こう配の屋根のお家は点検が難しいのが現状です。

周辺の環境によっても上りにくいお家があります。

ドローンであれば、家周辺の環境や屋根の高さ・形状に関わらず点検が行えます。

業者と一緒に屋根の状態を確認できる

ドローンで撮影した映像は、お客様と業者が一緒にタブレットで見ることができます。

お客様自身で屋根の様子を確認できるので状況を理解しやすくなりますし、勝手に見積に工事を追加されるなど悪質な業者による不正も防ぎやすいです。

ドローンで屋根点検を行うデメリット

一方、ドローンで屋根点検を行うデメリットは4つです。

  • 使用できない場所がある
  • 手で触って点検ができない
  • 応急処置ができない
  • 飛行は天候に左右される

1つずつ解説します。

使用できない場所がある

家の立地によってはドローンの飛行ができない、もしくは事前に許可が必要な場合があります。

ドローンの飛行は航空法や小型無人機等飛行禁止法などによって制限されていて、法律を守って飛ばす必要があるのです。

たとえば航空法では、人口集中地域・空港等の周辺・地表面から150メートル以上の高さなどでドローンを飛ばす際は事前許可が必要とされています。

ですので、個人が自分でドローンを飛ばして屋根点検を行うのは避けた方が良いです。

手で触って点検ができない

触診も屋根の状態を見るのに大事な要素ですが、ドローンではそれができません。

例えば、屋根材のガタツキや下地の痛み等は画像での確認だけだと判別しにくく、触ってみないとわかりにくいです。

結果的に欠陥を見逃してしまい、屋根の状態悪化に繋がる懸念もあります。

応急処置ができない

人が点検する場合は、何か欠陥を見つけたらその場で応急処置ができます。

屋根の状態を今以上悪化させないためには、応急処置であっても早めに行うに越したことはありません。

ですがドローンの場合、それはできません。点検なら点検のみになってしまいます。

職人が一緒に来てくれる業者なら良いですが、そうでない場合は別途改めて処置をすることになり、余計な時間と手間がかかる可能性があります。

飛行は天候に左右される

雨が降っていたり、風が強く吹いていたりすると飛行できない場合があります。

天候に関わらず飛ばせる機種もありますが、雨天は点検できないとする業者もいるでしょう。

ただ、悪天候で点検ができないのは人による点検でも同様ですので、大きなデメリットではありません。

悪質な屋根点検業者に注意!

無料の屋根点検をうたう業者の中には、悪質な業者もいるので注意が必要です。

手口は、いきなり訪問してきて点検を行い、不安をあおって契約をさせるというもの。

実際に、屋根点検に関するトラブルの2022年の相談件数は、2018年の3倍になっています。(参考:国民生活センター

契約当事者の8割が60歳以上と、高齢者が特に狙われています。

屋根の点検商法によるトラブルを防ぐためには、以下のようなことに気を付けましょう。

  • 突然訪問してきた業者に点検させない。屋根に上がらせない
  • その場で契約せず、検討する時間をつくる
  • 怪しいと思ったら会社名を確認し、名刺をもらう

屋根点検を行う場合は、地元で実績のある業者や国家資格を取得した職人がいる業者などを選ぶと良いでしょう。

まとめ:定期的な屋根点検で安心して過ごそう

以上、屋根点検の基礎知識について解説してきました。最後にポイントをおさらいします。

  • 屋根点検は5年に一度もしくは自然災害のあとに行う
  • 点検の際は、塗装の劣化や屋根材の傷みや浮きをチェックする
  • 個人で点検できる範囲には限界があるので、業者に頼む方が安心
  • 突然訪問してくる点検業者には注意する

屋根は、家全体を守ってくれる大事な存在です。

今のお家に安心して長く住めるよう、定期的に屋根点検を行って良い状態を保てるようにしましょう。

記事の監修者

長江勝彦

長江 勝彦

1966年創業、外壁番長の代表取締役。地元、富山県を中心に住宅のリフォーム・塗装業務を行っており、これまで500件以上の施工実績を持つ。

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