外壁塗装の種類10塗料の選び方・価格と特徴を一挙解説

外壁塗装の塗料にはさまざまな種類があります。それで、いざ選ぶとなるとどれが最適なものか迷ってしまいますね。

もし外壁塗装で失敗でもしたなら、後々ひどく後悔してしまい、取り返しがつかない結果になることでしょう。

そこで全10種類の外壁塗装の塗料の特徴などを一挙にまとめ、比較しながら賢明な選び方ができるように、アドバイスとなるような記事を書くことにしました。

是非、外壁塗装の塗料選びの参考にしていただけたらと願っております。

外壁塗装の塗料の選び方

下記の点に注意しましょう。

  • 自宅の外壁材が何か確認しておく
  • 自宅の周辺環境を把握する

自宅の外壁材が何か確認しておく

塗装を行いたいと思っている自宅の外壁はどんなものでしょうか。


外壁の種類もさまざまです。たとえば、モルタル・サイディング・コンクリート・鉄・木材などがあり、それぞれの外壁に合う塗料があります。


どんなに高価な機能性の高い外壁塗料を使っても、自宅の外壁材に合っていなければ、せっかくの塗料の機能性も発揮できずに終わってしまいます。


当然のことですが、まず自分の家の外壁材がどんなものを使用されているか確認することは大切です。

自宅の周辺環境を把握する

自分がすんでいる地域の周辺環境はどんなものでしょうか。


湿気が多い、海が近く塩害が心配、車の排ガスが多いといった環境かどうかも外壁塗装の塗料選びには重要な要素となります。


そうした環境要素に適した外壁塗料を選んで、塗料の効果がより発揮できるようにしましょう。

外壁塗装の業者選びも重要

ここでは下記のことを説明します。

  • 業者に任せっきりにしない
  • 理由不明の大幅な値引きやあおり言葉に注意する

業者に任せっきりにしない

悪質業者も存在するので注意が必要なご時世です。


業者に任せっきりにした提案は鵜吞みにせず、自分自身で事前に塗料に関してある程度の知識を身につけておくのは重要といえるでしょう。


塗料の種類や耐用年数や価格について、最小限でもいいですから知っておくのは大切です。


そして必ず複数の業者に見積をお願いし、提案をしてもらうことも適切な塗料選びに繋がるので助かります。


また外壁塗装の塗料選びは、次の塗替え時期や費用を決定してきますので、うかうかしてられないのです。


ですから自宅に使用する際の塗料には、どんなメリット・デメリットがあるか具体的に詳しく教えてもらい自分で決定するのは大切といえます。

さらに業者選びは塗料を選ぶのと同じくらい重要といわれています。業者によって塗装の良し悪しも決まるからです。慎重に業者についても調査し、信頼のおけそうな業者をいくつか選んで比較検討しましょう。

理由不明の大幅な値引きやあおり言葉に注意する

外壁塗装業者の提案で、理由が不明な大幅値引きに注意してください。


「今回だけ特別にお安くしておきます」という裏には、とにかく契約にこぎつけたい意図が隠されています。


そんな業者は、見えないところで上手く手抜きされる場合があります。


またもともと安いのに、最初高くふっかけて安くなったイメージを与えようとするズルいやり方かもしれません。


そしていきなり訪問してくる飛び込み業者のあおりには特に注意しましょう。「外壁をこのままにしておくと危ない」とかいって煽ってくる業者は悪徳業者が多く信頼できませんから、すぐに帰ってもらいましょう。


そもそも実績ある業者は飛び込み営業などしなくても、お客様からの申し込みはあるものです。

<老化したモルタル壁>

壁塗装の主要な7塗料の種類一覧

塗 料耐用年数1㎡あたりの価格
アクリル塗料5~8年程度1,000~1,500円
ウレタン塗料7~10年程度1,800~2,500円
シリコン塗料10~13年程度2,500~3,500円
ピュアアクリル塗料13~15年超3,800~4,500円
フッ素塗料13~15年超3,000~5,000円
無機塗料15~20年超4,000~5,500円
光触媒塗料15〜20年3,500円~5,500円
アクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料といった塗料の樹脂をベースに、ハイテク技術が生かされた3塗料については後述します。

外壁塗装の塗料の特徴

上記の7塗料の特徴やメリット・デメリットを解説します。

  • アクリル塗料
  • ウレタン塗料
  • シリコン塗料
  • ピュアアクリル塗料
  • フッ素塗料
  • 無機塗料
  • 光触媒塗料

アクリル塗料

アクリル塗料はかつては外壁塗装の時は当たり前に普及していた塗料です。


低価格で色の種類は豊富で、扱いやすく施工が簡単というメリットがある反面、外壁塗料にとっては致命傷となる紫外線に弱いことがデメリットとなります。


耐久性も低い塗料で、色あせやひび割れしやすく剥がれやすいです。


低価格が魅力でしたが、他の塗料も技術の進歩とともに低価格化が進み普及してきたことにより、耐久性の低いアクリル塗料は外壁塗料として、あまり使われなくなりました。

ウレタン塗料

かつてはウレタン塗料は主流で使用され、ウレタン塗料の強い弾性は、いろんなタイプの外壁塗料に使われていました。


アクリル塗料の次に低価格で、また密着性に富み外壁の壁面や下地によく馴染むので、塗りにくい所にも塗りやすいメリットがあります。


塗膜に弾性がありひび割れがしにくいので外壁塗装に重宝されていました。またよく使用されていただけあって色の種類もたくさんあり色選びに困ることはありません。

光沢感があり高級感もでてきます。よく普及されていたので施工業者も多いです。


しかしデメリットとして紫外線に弱いので劣化しやすく耐久性が劣り、そして弾性がある塗料の特徴で汚れを吸着しやすく目立ちます。

ウレタン塗料を外壁塗料に使う場合は、長く住み続けない家に使用するのもいいでしょう。

シリコン塗料

シリコン塗料は外壁塗装の塗料では、最も使われ主流となっている塗料です。


最近は技術の進歩で他の塗料が出現し、アクリル塗料やウレタン塗料のように人気に陰りがでていますが、現在でも多く使われています。


耐用年数や価格とのバランスが良く標準的なのがメリットです。


またどのメーカーも扱っていることから商品の種類も豊かで選択肢の幅が広いですが、デメリットとして製品の中には耐用年数が短いものがあることです。

ピュアアクリル塗料

ピュアアクリル塗料は、添加物や不純物を除いた100%のアクリル樹脂を使用した塗料で、紫外線にも強くフッ素塗料と同じ耐久性の高さを特徴としています。


防水性も高く、外壁に生じたひび割れをゴムのように埋めてしまい、水が入るのを防止します。


遮熱性に富み、太陽光の熱を跳ね返し室内温度を快適に保つ役割も担ってくれます。


ただし、汚れが目立ちやすいのと、価格の高さがデメリットです。


最近の塗料ですので、扱える業者も少ないことも難点といえるでしょう。

フッ素塗料

フッ素塗料は耐用年数の長さが大きな特徴です。それは頻繁に塗り替え工事のきかない大きな建造物、たとえば明石海峡大橋や東京スカイツリーにも使用されていることからもわかります。


耐用年数が長いということは、塗装の回数がそれだけ少なくて済むということですから、1回の塗装費用が高くついても、長い目でみればかかるコストは安く済みます。


また親水性も高く、雨水によって汚れが落ちてくるので、20年近く外壁を美しく保てます。さらに耐候性もあり寒暖差の幅を少なくしますので、冬は暖かく夏は涼しく快適性を保ちます。


そして北側のジメジメしたところでもカビや藻に強い性質をもち、フッ素塗料の光沢も長く保持するので、いつまでも新品の良さを楽しめるでしょう。


しかしデメリットとして、価格が高いことです。繰り返しになりますが、1回の価格は高くても塗替え頻度が少ないため長い目でみるとコストは安く済むので問題ないかもしれません。


なお普及率もそんなに高くないため、まだ施工業者が少ないのもデメリットといえるでしょう。

無機塗料

無機塗料はセラミックやケイ素などの無機物が主成分のため、有機物を栄養分とするコケ・カビが少なく、汚れも雨水で自然と流し去るので、美しい状態を長く保ちます。


いっぽうアクリル塗料・シリコン塗料などの有機塗料は、弾力があるためひび割れしにくく、さまざまなランクの価格帯があります。


無機塗料はランクの種類は少ないですが、紫外線などで劣化しない高い耐久性を持っています。しかし弾力がなく硬い塗膜を作るため、塗膜がひび割れを起こしやすいデメリットがあります。


そして無機塗料は最も高価なグレードです。それでも20年持つ耐久性はその後のメンテナンスが節約できることを考えると、長い目でみた時は断然お得です。


また、無機塗料を施工するには高い技術力が必要とされ、扱える業者が限られてきますが、何はともあれ、無機塗料の耐久性の高さは最上級といえるでしょう。

光触媒塗料

光触媒塗料は酸化チタンが原料で、その性質を活用し太陽光や紫外線と化学反応を起こし、除菌効果や防カビ効果、また外壁の汚れを雨水によって自然に洗い流すセルフクリーン機能を持っています。


耐久性も高く無機塗料とならび20年と長いのが強みです。


しかしデメリットとして、費用が高額で、日当たりによって光触媒の機能が発揮できなくなることです。


また色のバリエーションが少なく、施工業者も少なく専用下塗り剤が必要で工期が長くなります。


近年では化学の進歩で光触媒より高性能の塗料が出てきており、高価で取り扱いが面倒な光触媒は、あまりオススメされていません。

外壁塗装の塗料のハイテク技術を用いた3塗料

アクリル。ウレタン、シリコン、フッ素といった樹脂がベースとなっている塗料に、最新の技術が施された塗料のことです。下記に3つありますので紹介します。

塗  料耐用年数価格
ラジカル制御ハイブリット塗料8〜16年2,200〜4,000円/㎡
セラミック塗料10〜25年2,300〜4,500円/㎡
ナノテクノロジー塗料10〜15年2,300〜4,500円/㎡
それぞれの特徴を次に説明していきます。

ラジカル制御ハイブリット塗料

ラジカル塗料の「ラジカル」とは、紫外線や雨水などで発生する劣化因子のことです。ラジカル制御塗料はその名の通り、劣化因子を制御して抑える効果があります。


今注目されてきている塗料で、メリットも多くあります。
ラジカル塗料は従来のアクリル塗料やシリコン塗料の主要な樹脂に新しい機能が加わったものですが、価格は安く高性能です。つまり一般の塗料と変わらない価格で性能が高くなっているので注目を集めますよね。


またチョーキング現象という劣化も起きにくいです。これは塗料の顔料が、紫外線、風雨などの自然現象で劣化し、チョークのような粉が出てきてしまう現象で、ひび割れや水漏れの原因にもなります。


さらに低汚染性で汚れが付きにくく、ツヤと光沢が長持ちし、塗膜の寿命を伸ばします。


そして作業性も高く、外壁用の水性1液型なら、攪拌の手間もなく塗料の伸びもいいので施工が楽で、どんな外壁にも塗装が可能という万能性もあります。


ただ、デメリットとしてラジカル塗料は2012年発売ですのでまだ歴史が浅く、施工実績がそれほど多くなく扱える業者が少ないことです。
しかし安価で性能の良さから、今後が大いに期待されています。

ラジカル制御塗料を使いたい場合は、専門家へ無料相談してください。
弊社外壁番長では長い実績と信用を得ており、最新の塗料にも精通しています。

セラミック塗料

セラミック塗料とは、一般的な塗料の樹脂に、セラミック成分(無機物を高温加熱したもの)を混ぜ合わせた塗料で、遮音・耐火性・耐久性などの機能性が高くなっています。


また混ぜ合わせたセラミック成分によって、天然石や砂岩などに見せる意匠性を持たせられ、立体感や深みのある色合いを生み出せるので独特の外観になりますね。


さらに紫外線に強い耐候性があり、変色や劣化に強く、また遮熱性の高さは、熱を伝えにくいので、年中快適に過ごせる良さがあります。


ですが費用の高さはデメリットです。耐久性は勝っていますがフッ素塗料よりも高いので初期費用はバカにならないです。


さらに種類により表面がデコボコしているので、汚れや排気ガスを付きやすくさせてしまう難点があります。


ですからセラミックの持つ良さとの兼ね合いを考えて選ぶことが大事ですね。

ナノテクノロジー塗料

ナノテクノロジー塗料のとは、1mmの10億分の1という極小サイズまで樹脂を小さくしたナノレベルの最先端技術です。

ナノテクノロジー塗料は速乾性でしかも水性塗料で刺激臭が少ないため近隣へ迷惑をかけない配慮ができます。

そして外壁に付着した汚れも、雨水が当たることで自然と流れ落ちるセルフクリーニング機能があります。

またナノテクノロジーの微細な粒子によって塗膜が覆われるため、紫外線や酸性雨に強く、色あせしにくく美観を長期に保てます。

そして火事の際の延焼も防ぎます。というのは塗料の有機成分と無機成分の融合膜が酸素の侵入を防ぐからです。

しかし最先端技術の結晶であるナノテクノロジー塗料は、これまでの樹脂塗料と違う部分が多いため、製造メーカーが少なく色や艶の選択肢も少なく、また扱える業者も少ないというデメリットがあります。

そして施工費用が高いです。しかし耐久性の高さから長期的観点でみると、メンテンナンス費用をかなり浮かせられるためお得といえるでしょう。

外壁塗装でプロおすすめの塗料ランキング

リフォーム産業新聞 -【2023年版】プロ315名がおすすめする人気塗料ランキング の中から5位までを記述します。

1位 パーフェクトシリーズ    日本ペイント

2位 プレミアムシリコンシリーズ   エスケー化研

3位 リファインシリーズ     アステックペイント

同3位 水性セラミシリコンシリーズ   エスケー化研

5位 RS シリーズ   関西ペイント

上記の塗料ランキングでは、日本ペイントがトップで、「パーフェクトシリーズ」が圧倒的な3連覇を遂げています。


アステックペイントの「リファインシリーズ」も急上昇しました。


全体をまとめると、シリコン系を推す回答が多くみられ、無機系やフッ素系が少ない傾向がみられています。今なおシリコン塗料の活躍が期待されているようです。

まとめ

外壁塗装の塗料を選ぶ際には自宅の外壁を知っておくことや、周辺環境にも目を向ける大切さと、悪徳業者から身を守るため複数の業者に見積をお願いし、飛び込み営業のあおり言葉に気を付けることをお伝えしました。


そして外壁塗料の7種類とそれらの樹脂塗料にハイテク技術を使った3種類の塗料も紹介してきました。


今や化学が進歩し様々なハイテク技術を駆使した塗料が開発されており、塗料選びも複雑になってきていますね。


今回の記事が塗料の10種類のそれぞれの特徴や価格などを参考にしながら、塗料を選んでいく上での参考としてくださるなら幸いです。


塗料選びに失敗することなく、満足いく塗装に我が家への愛着を一層深めていってください。

記事の監修者

長江勝彦

長江 勝彦

1966年創業、外壁番長の代表取締役。地元、富山県を中心に住宅のリフォーム・塗装業務を行っており、これまで500件以上の施工実績を持つ。

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