近年の外壁塗装では「高級感」に対するニーズが高まっています。
たしかに、外壁塗装がもたらす影響は大きく、住まいの全体の印象を決定づける重要な要素といえるでしょう。
そして、住まい全体に高級感が漂っていると、住んでいる人のセンスや意識の高さを伺わせますね。
本記事は、外壁塗装で色や塗料をはじめとした数々の要素で、高級感を演出していく具体的な秘訣を記述しています。
外壁塗装で大切な住まいを、おしゃれでモダンな高級感に溢れるものにするために、参考にしていただければ幸いです。
目次
外壁塗装に高級感を求める理由
近年は高級志向がトレンドとして注目され、個性を表現する手段として需要が高まっています。
高級感のある外壁は、家全体のグレードを上げることに貢献し、近隣との調和や街全体の雰囲気を良くする効果があります。
また、資産価値を上げる要素にもなり、将来の売却や相続の際に有利に働くでしょう。
今後ますます外壁による高級感を追求する傾向が強まると考えられます。
外壁塗装で高級感を演出する5つの秘訣
外壁塗装で高級感を出す秘訣は、全部で5つあります。
外壁塗装は定期的なメンテナンスを必要とし、10~15年に一度のスパンで再塗装しなければなりません。
そのため、外壁塗装において限られた予算内で、高級感を最大限に引き出す秘訣を知っておくことは賢明といえるでしょう。
以下にこれから考慮する5つの秘訣をあげます。
- トーンの低い色を選択する
- 建物にあった艶の度合いを調整する
- 高性能な外壁塗料を選ぶ
- 多彩模様塗料を使う
- ツートーン塗装で仕上げる
では5つの秘訣を詳しく説明していきます。
トーンの低い色を選択する
外壁に高級感を演出するポイントは、落ち着いたトーンの色を使うことです。
明るい色味は、重厚な高級感よりポップで楽しげな感じを与えます。
また同じ色でもトーンの調整で違った印象を与えることもあります。ときに高級感を強調したり、ナチュラルで軽快な雰囲気を与えたり、演出に変化を加えられるでしょう。
例えば、好みの色が高級感に合わない場合は、色のトーンを調整してやや暗めの色調を選択できるかもしれません。
色見本をよく吟味して、好みにあった高級感に寄与する色を選んでください。
具体的によく使われる高級感を出す6色の特徴をまとめてみます。
色 | 特 徴 |
ブラック | 黒のシックな落ち着きは、おしゃれでモダンな雰囲気を醸し出す。 外壁に施された重厚感は、建物全体に力強い存在感を与える。 黒は他の色やレンガ調のデザインにもマッチしやすい色。 黒は目立つため、日当たりや周囲の状況とも合わせる必要がある。 |
ダークブラウン | 外観に落ち着きをもたらし、木の緑や自然環境に溶け込みやすい色。 ダークブラウンの暖かみは重厚感を与え、自然素材との組み合わせとよく調和し、高級感の中にナチュラルさが加わった風合いを楽しめる。 |
グレー | グレーは洗練された都会の高級感を与える定番の色。 艶を抑えたマットなグレーにすることで、外観を立体的に際立たせる。 他の外壁材とも相性がよく、おしゃれでバランスも取りやすい。 とくにダークグレーとの組み合わせは、コントラストを生じさせ、 高級感をさらに高められる。 |
ダークグレー | ダークグレーも重厚感がある。 光沢を抑えてマットな仕上がりにすることで、品の良い外壁ができる。 また、他の色との組み合わせで、現代的なモダンさとトレンディな印象を与えられる。 |
ネイビー | 外壁にネイビーを深くした濃紺は、シックな落ち着きとクールな印象を与え、上品な高級感を引き出す。 木材や石などの自然素材との組み合わせでは、アクセントになり建物全体をエレガントにまとめる。 |
オフホワイト | オフホワイトは、真っ白なホワイトと違って、目になじみ落ち着きある高級感を生み出す。 また他の濃い色との組み合わせは、良いコントラストを生じさせ、 建物に明るいながらも清潔感と上品さをもたらす。 |
建物に合わせて艶かマット感かを選ぶ
艶のないマットな仕上がりは、高級感と落ち着いた自然な美しさを引き出す効果があります。
なぜなら、艶は光を反射して輝きますが、安っぽく感じさせることがあるからです。
マットな仕上がりは、街並みや景観とも馴染みやすく、自己主張はさりげなくても高級な存在感を演出します。
しかし建物のデザインによっては、艶があった方が高級に見えることがあります。
例えば、洋風に近い外観のものは艶があった方が綺麗で高級にみえますし、逆に日本的な外観にはマットな仕上がりが高級な風合いを醸します。
それで、建物のデザインによって艶かマット感かを選んで高級感にこだわって選択していきましょう。
高性能な外壁塗料を選ぶ
予算は高めになりますが、高性能な外壁塗料を選択するのをおすすめします。
なぜなら高性能な塗料には、長い期間、外壁の美しさと高級感を維持するための機能が付いているからです。
例えば、雨が降ると自然に汚れを流して落としてくれるセルフ洗浄機能が付いている塗料や、色あせなどの劣化に強いものがあるのです。
いっぽう、安い塗料は劣化が早いため、美しい外観が損なわれるのも早く高級感など消滅してしまいます。
また、高性能な塗料は耐久性の高さから、塗装メンテナンスの頻度も少なくてすみます。
ですから、長い目でみるとコスト削減につながり、高級感のある美観も長く保てますからおすすめ塗料といえるでしょう。
多彩模様塗料を使う
多彩模様塗料とは、外壁をテクスチャーや立体感のある仕上がりにできます。
例えば、塗るだけで御影石のような感じを出せるものもあるのです。
また複雑な模様や色を表現できますので、洗練されたひと味違ったデザインの外壁も可能です。
個性的な外観は、住む人のセンスの良さや高級感を反映するでしょう。
ツートーン塗装で仕上げる
外壁塗装のツートーン塗装とは、2つ以上の色を組み合わせた塗装方法です。
最適な色の組み合わせは、住宅全体をおしゃれで洗練された印象にし、上品な高級感を漂わせます。
また、ツートーン塗装は2つ以上の塗料を用いますが、2~3色に限定した方がいいでしょう。
なぜなら、色が多すぎるとデザインが複雑になり、全体のバランスが崩れやすいからです。そうなると高級感とは言い難い結果となってしまいます。
それで、広い面積に塗装するベースカラーを決めたあと、2色目からは塗装面積も狭くしアクセントとして使うのは効果的です。
したがって、配色のバランスを上手に取ることで、ベースカラーとして落ち着いた色を使い、2色目を華やかさを添えるためのアクセントカラーにするなら、深いコントラストを生じさせワンランク上の上質感を味わえることでしょう。
また、ツートーン塗装はデザインの幅が広く、カラーを上下で分けてみたり、縦にストライプにしてみたりでき、高級志向の上に個性の豊かさをプラスできる塗装法です。
外壁材(サイディング)で高級感を演出する4つの秘訣
外壁材が劣化すると、外壁材(サイディング)そのものを取り変える場合があります。
その場合は、外壁材が外観のイメージに高級感があるかどうかで決めるといいでしょう。
ここでは外壁材に工夫を凝らすことで、高級感を出す4つの秘訣を解説していきます。
- 天然素材をアクセントにする
- 立体感や素材感のあるサイディングを選ぶ
- マルチカラー工法を使う
- 木目調外壁で高級感をねらう
天然素材をアクセントにする
外壁の一部分を天然素材を使いアクセントにすることで、高級感を演出する方法があります。
どうして一部分だけ使うかというと、天然素材のタイルやレンガを外壁全体に使ってしまうと、高価な費用を捻出しなければならないからです。
また天然素材は定期的なメンテナンスが必要で手間がかかります。
それで、外壁の凹凸のある一部分を利用して天然素材を組み込むと、おしゃれなアクセントになるのでおすすめです。
こうして、コスト削減にもつながると同時に、外観に高級感を表現する二重のメリットとなるでしょう。
立体感や素材感のあるサイディングを選ぶ
住宅の8割以上がサイディング外壁材が使用されているため、一般的すぎて高級感に乏しくなるのではないかと懸念される場合があります。
しかし、窯業系サイディングは、コストが安いうえにデザイン性に富んでいるため、新築のほとんどに使用されている人気の外壁材なのです。
窯業系サイディングとは、セメントと木材繊維を薄い板状に加工したもので、タイル調やレンガ調などの高級なイメージの外壁に仕上げられるのが人気の理由と考えられます。
また、金属系や木質系のサイディングは、立体感を出せると同時に素材に高級感も簡単に出せるので、こちらも人気です。
外壁サイディングを適切に選ぶことは、高級感を演出する上で重要な要素といえるでしょう。
マルチカラー工法を使う
マルチカラー工法は、サイディング外壁に立体感を生み出し、高級感を演出するのに適しています。
マルチカラー工法とは、サイディングの外壁に施されたタイルや石の模様の凹凸部分を活用し、一部分をアクセントとなる色に塗り分ける技法のことです。
そうすることで立体感が表現でき、角度によって違う視覚効果が発生し、光の当たり具合による表情の変化が生まれるのです。
マルチカラー工法で立体感のあるデザインにすることは、おしゃれで個性的な高級感を引きだせる秘訣となるでしょう。
木目調外壁で高級感をねらう
木目調外壁は、天然木とそっくりに再現された外壁材で、自然素材の持つ落ち着きと優しさが、建物全体を上品に包み込みます。
単調になりがちな外壁も、天然木の木目や色の濃淡は奥行きを与え、深い印象と高級感を醸し出します。
また周囲の環境にもよく馴染み、街並みでも緑の多い環境でも調和し、控えめながらも存在感を主張するでしょう。
木目調外壁は、金属パネルのサイディングで再現されているため、耐久性があり管理がしやすいメリットがあります。
木目の種類も豊富で杉やチークなど、さまざまな風合いがあり、予算に合わせて選択できます。
現在の外壁の高級感を維持したい場合
現在の外壁の劣化がひどくなく、高級感が維持されている場合には、クリヤー塗装をするといいでしょう。
クリヤー塗装は着色料を含まない透明な塗料で、外壁の色や模様を変えたくない時やコーティング保護だけにすませたい場合に最適です。
また築後10年以内が目安で使われ、外壁を元の状態に回復させてくれます。
しかし、10年以上になると色あせなどの劣化が顕著になるため、おすすめできません。
また外壁にフッ素塗料などの特殊塗料で塗装されている場合は、クリアー塗装はできませんので注意しましょう。
仕上がりを明確にイメージする重要性
外壁塗装は、仕上がりのイメージを、いかに明確にしておくかで、失敗と成功の明暗を分けると言っても過言ではありません。
なぜなら、塗装が完成した時の実際の仕上がりと、最初に抱いていたイメージと違っていたという失敗が多いからです。
すぐに再塗装もできず、次回のメンテナンスまで10年以上も我慢を強いられる事態は最悪ですので注意しましょう。
色見本を参考に熟慮して決定しても、住まいの大きさや形状によって違ってきます。
また同じ色の塗料を使用しても、外壁材の種類や表面の凹凸具合によっても感じが変わるのです。
そこへ光が当たって反射すると、さらに違った印象に見えることがあります。
インターネットを参考に様々な施工事例から、明確なイメージを膨らませておくのは大切です。
そして業者からアドバイスをもらいながら、具体的に詰めた打ち合わせをして、イメージ通りの仕上がりになるようにしましょう。
まとめ
高級感のある外壁塗装は、建物全体をおしゃれでモダンに印象づけますので、住まいには大切な要素です。
本記事では、塗料や色、外壁材で高級感を演出する秘訣を紹介してきました。
外壁塗装だけで、全体に高級感を演出するのに大いに貢献しますので、本記事を参考に、みなさんの住まいを個性あふれる自慢の我が家に整えていかれますように願っています。