外壁塗装で色の選び方を間違えてしまい失敗したということはよくあることです。
色選びの失敗は業者の施工に瑕疵はありませんので、無償でやり直してもらうわけにはいきません。
次の外壁リフォームまで我慢して待つか、有償で塗装をやり直してもらうしかないのが実情です。
ですから外壁塗装の色の失敗というありがちなパターンは、是非とも避けたいものですね。
そのため、外壁塗装の色選びの失敗例から学ぶことは肝要なことといえるでしょう。
本記事は外壁塗装の色の失敗を防ぐ対策や、色選びの方法について解説していきます。
外壁塗装で今までとは違う新しい色の塗替えを検討している方は、ぜひ参考にご一読ください。
外壁塗装の色選びの失敗例
外壁塗装の色の失敗例はたくさんあります。ここでは7つの例を挙げてみます。
- 汚れが目立つ
- 近隣の街並みから浮いている
- 面積効果を無視したためイメージと異なる
- 色あせした
- おしゃれ感がなく好きな色でもない
- 気象条件や光の当たり方を考えていない
- 経年劣化のことを考えていない
それでは順に説明していきます。
汚れが目立つ
汚れがつく原因は、ホコリ、排気ガス、雨が流れた跡、コケなどです。
汚れが目立つ色にすると、塗りたての美しさはすぐに影を潜め、短い間でひなびた印象になり、後悔します。
例えば、白などはっきりした色は、明るく高級なイメージになり人気ですが、汚れが目立つ色でもあり失敗したと思う人が多いようです。
近隣の街並みから浮いている
周囲との調和を考えずに、個性を重視するあまり定番でない色や派手な色を選ぶと、街並みから浮いてしまい失敗したと感じます。
さらに、奇抜な色は悪目立ちをしてしまい、近所の方からクレームが入る場合もあります。
また個性的なヨーロッパ調の明るいイメージの色にしたつもりが、周りと不釣り合いで失敗した例もあり、周囲との調和を考えず個性的な色を選ぶ場合には注意が必要です。
面積効果を無視したことでイメージと異なる
カタログや色見本で選んだ時と、実際に塗ってみたらイメージが違っていて失敗したケースは、よくある失敗例です。
原因は、「面積効果」と呼ばれる色の見え具合の変化によるものです。面積効果とは、明るい色は同じ色でも広いところでみると明るさが増し、反対に暗い色は一層暗く見えるという現象です。
また同じ理由でツートンカラーにした時も、サンプルで見た時と実際の仕上がりの感じが違ってしまい、色のバランスが崩れてしまうという失敗も生じます。
色あせした
鮮やかな色を選択した場合は、寿命より早く色あせや汚れが目立ってしまう傾向があります。
また、日が当たると塗料は色あせしやすい特徴もあります。
例えば、日当たりのよい南面の外壁だけが色あせし、同じ色のはずなのに他の面とは違って見えてしまうことがあると、失敗したと感じてしまうでしょう。
おしゃれ感がなく好きな色でもない
汚れが目立つからという業者のすすめで暗い色にしたり、家族の好きな色を優先したりしたため、後で本当に好きな色にすれば良かったと後悔することがあります。
例えば、もっとおしゃれで上品な色にすればよかったとか、周囲の家に合わせたつもりが違っていたなどの場合は不満が残ります。
本当におしゃれで好きな色なら、汚れが目立ってきた場合も、メンテナンス費用は惜しくはないでしょう。
外壁の色選びで、自分の希望を後回しにしないことは重要なポイントです。
気象条件や光の当たり方を考えていない
外壁の色は、地域性によって同じ色でも違った見え方をすることがあります。
例えば、実物の家の例を見て気に入ったとしても、自宅のある地域の気象条件や光の当たり方で、違う感じに見えるのです。
また、住んでいる地域が温暖な場合には、濃い暗めの色は光を吸収しすぎてしまい、夏の室内温度が暑くなりすぎるといったことも失敗の要因になります。
経年劣化のことを考えていない
外壁は経年劣化していき、塗りたてとは違う感じに変化していきます。
近年では、耐久性に優れ経年劣化に強い塗料の進化は凄まじいものです。しかし、それでも15年も過ぎると劣化して、塗りたての時と様変わりすることでしょう。
ですから、経年劣化のことを頭に入れて、10年以上過ぎた将来の見た目も、考えにいれた色を選択することも完g萎えてみてください。
そして、経年劣化の原因は、紫外線や酸性雨によって塗料が化学変化を起こすことです。塗料もそれらの原因を対策した耐久性の高いものを選ぶとよいでしょう。
外壁塗装の色選びの失敗を防ぐ対策

これまでの失敗例を考えると、外壁塗装の色選びをだけは失敗したくないですね。
そのための対策として5つ紹介したいと思います。
- 実例から色具合を確かめる
- 周囲の景観や建物を確認しておく
- 自然光に当たった時の見え方を確認する
- 玄関や屋根の色との調和を考える
- プロに相談しアドバイスしてもらう
それでは5つの対策から失敗を防ぐ参考にしてください。
実例から色具合を確かめる
気になる色が見つかったら、その色を実際に外壁に使っている家が近所にあるか探してくれるリフォーム業者がありますので、実例を見に行くのはおすすめです。
その際、時間帯や天気によって見え方は変化します。
異なる条件下の見え方を確認しに何度か行くことは、賢明といえるでしょう。
実物を見ることで、実際の仕上がりや経年劣化による色あせ、汚れ具合も確認できます。
しかし近所に実例がない場合は、塗料の品番を検索して、実例の写真だけでも見つける方法があります。
なるべく色見本だけに頼らないようにしましょう。
自然光に当たった時の見え方を確認する
外壁は屋外にあり太陽光を浴びています。そのため、外壁塗装の色選びは、本来屋外で確認するのが基本です。
なぜなら、色は光源によって左右されるので、屋内の蛍光灯の下で見る場合と、太陽光線で見る時と色の見え方が違うからです。
屋内では本来の色とはいえませんので、屋外に出て色見本の大判タイプを外壁に当てて、日当たりの良いところと日陰を見比べてみましょう。
ただし屋外といっても直射日光は避け、自然な反射の光が当たる場所を選んでください。
また、午前や午後の時間帯によっても変わります。
実例を見に行くときのように、さまざまな条件下で見え方の確認を行うのが最適といえるでしょう。
周囲の景観や建物を確認しておく
見落としがちですが、外壁塗装の色選びで重要なことは、周囲の景観や建物とうまく溶け込んでいるかどうかです。
ご近所の住宅から浮いてしまっては、次のメンテナンスまで肩身の狭い思いをしてしまいます。
また、地域によっては景観に関する条例を設けている場所もありますので確認が必要です。
色選びは楽しい工程ですが、ワクワクした気分で自分の好きな色にこだわり、つい自己本位な選択をしてしまう可能性があることには、注意しましょう。
注意して、選択することで、外壁塗装の完了後に後悔する事態を避けられます。
なお、地域全体に統一感と品位が保たれているなら、住宅価値も向上しますので周囲との調和は大切といえるでしょう。
玄関や屋根の色にも気を配り調和をはかる
新しい色にチャレンジして塗り直しを検討する場合、つい忘れがちなのが、玄関ドア、窓枠、屋根の色との相性です。
色見本で確認する時、外壁だけに気を取られずに、その他の色がついた建材との調和にも気を配ることは重要です。
一部の建材だけ浮いた感じにならず、家全体がバランスの取れた、まとまりのある感じになるでしょう。
外壁塗装の経験者やプロのアドバイスをもらう
プロや経験者のアドバイスは、とても参考になります。
例えば、よく問題になるサンプルと実際に塗った時のイメージの違いや、塗ってからしばらくした時の色の変化などは、経験者やプロでないと分からないことが多くあります。
また屋根との相性、予算との兼ね合いから、おすすめ塗料を提案してくれるなど、プロから背中を押してもらうと安心できますね。
外壁塗装で色を失敗しない色選びの方法

外壁塗装で失敗しない色選びをするポイントについて解説します。
以下の5つが挙げられます。
- サンプル・外観パースなどでシミュレーションをする
- 好きなカラーで飽きない色を選ぶ
- 色あせや汚れが目立たない色を選ぶ
- ツヤ感も考えて選ぶ
では順に解説していきます。
サンプル・外観パースなどでシミュレーションをする
カラーシミュレーションとは、専用ソフトに自宅の写真を取り込み、外壁や屋根にいろいろなカラーパターンで、仕上がり具合をみるものです。
実物の写真を使って色を試せるので、実際の仕上がりに近いイメージで色を選べることや、気になっている複数の色のカラーパターンを簡単に比較できます。
実例を見学するのが一番ですが、それがかなわない時には、サンプルや外観パースでシミュレーションします。
外観パースとは、建物の外観をリアルに捉えられるように絵や画像にしたものです。
具体的にシュミレーションして実際の仕上がりのイメージに近づけてもらうため、外観パースを複数案作ってもらったり、大きなサイズのサンプルを用意してもらいましょう。
好きなカラーで飽きない色を選ぶ
家族やメーカーの提案を優先し、自分の好みを犠牲にすると、自分の好きな色にしたかったと後悔することがあります。
毎日住まう家ですから、満足感があることは大切なことですね。
周囲の意見や近隣の環境も考慮に入れた、折り合いのつく選択をしましょう。
また、色選びをする際には、年月が経っても飽きないかを冷静に考えることは重要です。
中には、ツートンカラーを選択される方もいるでしょう。
ツートンカラーはデザイン性が高く、外壁にメリハリをつけられます。しかし、色の組み合わせ次第では、失敗することもありますので、よくシュミレーションして検討してください。
また、色を複数使う場合は、3色までにするのが鉄則と考えましょう。
色あせや汚れが目立たない色を選ぶ
前述しましたが、白や黒などハッキリした色は汚れが目立ちました。
とく住宅が車通りの激しい道路に面しているなら、排気ガスの影響を受け汚れやすい条件を考えて色を選ぶ必要があるでしょう。
また、色あせしやすい色は赤・黄色・紫で、そして、汚れや色あせが目立たない色は、ベージュ系、青系、グレー系があげられます。
いっぽう塗料にも注目するのも重要です。汚れがついても雨水で流してしまう高い機能性を持つものや、色あせしにくい耐久性に優れた塗料を選べるでしょう。
ツヤ感も考えて選ぶ
外壁塗装の色の失敗を避けるため、塗料の艶の度合いも考えに入れておきましょう。
艶があるほど光があたるとピカピカした光沢を発するのに対し、艶なしはマットな仕上がりになります。
艶感によって色の見え方もかなり違ってきますので、艶の度合いを把握しておくのは重要です。
艶のある色は、少し暗めの色を選ぶ方が落ち着いた印象を与えます。いっぽう艶のないマットな色は、高級感を演出しますが、日当たりが悪いと暗い感じになるため、少し明るめの色を選ぶといいでしょう。
まとめ

外壁塗装の色の失敗は、まず汚れが目立つ色を選んでしまい、塗装して間もないのにすでに劣化した感じになることです。
また周囲の街並みから浮いた感じになって、居心地の悪さを経験することがあります。
さらに最初のイメージとかけ離れてしまい、満足感のない仕上がりになることも考えられます。
そうした失敗を防ぐ対策として、実例を見に行ったり、周囲の環境を確認しておくことは賢明です。
そして外壁塗装で失敗を避ける色選びも大切でした。
シュミレーションで複数のパターンを参照し何度も確認することや、機能性のある塗料を選ぶことも重要です。
外壁塗装の色によって、住宅全体のイメージが決まると言っても過言ではありません。
本記事から色選びに関する情報をいろいろな角度から参照し、そして最終的には自分の満足する色を選びましょう。