外壁塗装に適した季節と事情に応じたタイミングを解説

外壁塗装を考えている方が悩まれるのは、時期やタイミングや費用ではないでしょうか?

外壁塗装には適さない気象条件があり、天候による影響も大きく受けてきます。

この記事は外壁塗装に適した季節や、コスト面と諸事情を考えたタイミングと、良い業者選びについて解説していきます。

やって良かったと思える外壁塗装をするために、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

外壁塗装は気温と湿度に左右される

外壁塗装ほど気温と湿度に左右される工事は少ないといえるでしょう。

塗料を美しく仕上げるためには、降水量が少なく気温と湿度が適した季節に塗装工事を行うことが大切です。

外壁塗装に適さない条件

外壁塗装に適さない気候条件が下記のように『建築工事標準仕様書・同解説 JASS18塗装工事』に定められています。

塗料は気温5℃未満、湿度が85%以上の環境下では乾きづらいため、原則として塗装に着手しない

つまり雨の日は湿度が高く、冬の寒い日は温度が低くなるため塗装工事は行えません


というのは塗料に雨がまざると仕上がりが悪く、乾燥も十分でない時に重ね塗りをすると、後で塗装が剥がれてしまうからです。

また、湿度が85%以上の場合は、雨が降っていなくても塗装できないので注意しましょう。

そのため梅雨時期は、晴れの日も少なく作業スケジュールが組みにくい上に、雨で塗料が流れ落ちる可能性があるため不向きな季節と言えます。

しかし季節のいい繁忙期は、業者も忙しく工事費用が高くなる場合があり、塗装タイミングの選択には悩まされますね。

外壁塗装の工期の目安

外壁工事の全体工期の目安は、10日~14日程度です

ですが、天候に振り回される外壁塗装は、雨天で中止になったり、乾燥に時間がかかったりしますので、だいたいの目安と考えましょう。

外壁塗装に適した季節は春と秋

外壁塗装に適した季節の一つ秋


外壁塗装は定められた温度湿度の条件下なら、いつでも行えます。

ただし、気候条件に振り回されることは必須で覚悟しておくべきです。

それでも地域によって差があるものの、季節としては適度な気温と湿度で塗料の乾燥がしやすい春と秋が最適といえるでしょう。
わかりやすくいうと、洗濯物が乾きやすく快適に過ごせる季節がベストです。

日本は四季があるうえ、地域によっても差がありますので、雨や雪が少ない時期を選ぶとよいでしょう

次の項目から季節ごとの特徴を知っておきましょう。

【春】3月~5月

春は気候が穏やかで、業者は屋外でも作業しやすく、外壁塗装にはベストシーズンです。
ほどよい気温は湿度も低く塗料は乾燥しやすいからです。

3月は北の地方では雪が残り、気温も5℃を下回って外壁塗装ができない地域があるかもしれませんが、多くの場所で春の息吹を感じさせ塗装には向いている地方も多いことでしょう。

春は秋と同様繁忙期になりますので、早めの業者に見積依頼をして予定を組むことをおすすめします

【夏】6月~8月

6月〜7月は梅雨の時期で、塗装には水分は大敵のため不向きな季節です。

8月の夏は晴れの日が多く、気温が高いので塗料の乾燥が早く、塗料の伸びもいいため作業効率も高まるので、本来は向いているといえますが、注意点が多い月です。

台風やゲリラ豪雨が発生することも多いからです。

また室内に塗料のにおいが流れ込むため窓が開けられないことが注意点です。
洗濯物も外に干せません。

エアコンがあれば窓を開けなくてもいいと思いますが、塗装箇所によって室外機にも養生する必要もあり、その場合はエアコンは使用できなくなります

夏場の外壁塗装を計画する場合は、エアコンの使用について確認しておくとよいでしょう。

【秋】9月~11月

9月は台風シーズンですので、避けた方がいいですが、10月・11月はベストシーズンといえるでしょう。

春と同じく外壁塗装に適した気候条件がそろっています。

しかし繁忙期になるため、工事が集中して日程調整が難しい可能性があります。

業者によっては、1件あたりの職人の人数を減らして数をこなそうとすることもあり、工期が長く設定される結果となりますので、契約する際には職人の人数を確認しておくとよいでしょう

【冬】12月~2月

12月~2月の冬場は、閑散期ですがメリットもあります。

というのは空気が乾燥しているので塗料が乾き定着し、窓を閉め切っても支障がない好条件がそろっているからです。

地域によっては最低気温が5℃以上になるところもあり塗装工事が行えます。

ただし注意点としては、日照時間が短く、寒さが原因で塗料が乾きにくくなったり、結露が発生しやすくなることです。

また冬場の外壁塗装に不向きな、東北や北海道では業者自体が外壁塗装の依頼をストップすることもあります。

しかし冬場の乾燥時期は塗装に向いていますから、地域によっては対応可能ですので、信頼できる地元の塗装業者へ相談するといいでしょう。

近年の温暖化による異常気象の影響

温暖化により、冬場が温かくなってきており、外壁塗装ができなかった地域も施工が可能になってきています。

また梅雨場に雨が少なくなり外壁塗装がしやすく変化しています。

いっぽう夏場のゲリラ豪雨は最近多く発生し、工事の中断や工期の延長を余儀なくされる事態が生じます。

外壁塗装に最適だった春と秋の季節が短くなっていますので、その他の季節も温暖化の変化の影響を受け入れて順応することが大切です。

事情に応じた外壁塗装のタイミング

外壁塗装の足場と現場


季節以外で、各自の事情やコスト削減のため、あえて閑散期に外壁塗装を行うなど、独自のタイミングに応じて調整をはかりましょう。

外壁塗装のタイミングは各自の事情も考慮する

受験シーズンで、自宅や近隣に受験生がいる場合は、外壁塗装を行うタイミングを考えた方がいいでしょう。

塗装する際には音はしませんが、足場の設置やばらしの時には大きな音がでます。

また、高圧洗浄機で塗装前に外回りを洗浄する際にも音を発します。

そして外壁塗装工事は外で行いますが、室内でいても業者の作業員の気配を感じ気が散ることも予想されます。

さらに自営業でお店をされている方も、人の出入りが頻繁になる繁忙期は避けた方がいいでしょう。

なぜなら、足場を組み、店の全体を飛散防止シートで覆ってしまうので、お店への出入りに支障が出るからです。

季節的なもので左右される外壁塗装ですが、それぞれの事情に合ったタイミングを選ぶことをおすすめします。

外壁塗装を閑散期に行うと節約できる

閑散期に外壁塗装を行うことで、コストの削減になることがあります。

たとえば梅雨の閑散期は受注が減り提示価格が安くなる傾向があり、費用面で節約したい人にとっては狙えるタイミングです。

腕の良い業者は知識と経験をもっており、季節を問わず問題なく品質のよい塗装工事をしてくれるでしょう。

また冬場も外壁塗装は閑散期ですが、冬は湿度が低く塗料の乾燥がしやすいメリットがあります。

ですから雪の少ない地域で5℃以上の気温が見込めるなら、冬場に塗装工事を行うのも賢明といえます。

地域性やコストを考え、適したタイミングで選んで行ってください。

外壁塗装の劣化によるタイミング

下記の症状がある時は、季節にかかわらず、早急に対処することをおすすめします。

  1. チョーキング現象
  2. ひび割れ(クラック)
  3. 外壁の汚れ・コケ・カビ

なお、外壁塗装の目安は築10年目を参考に行ってください。

1.チョーキング現象

チョーキング現象は、外壁を手で触ると壁の色と同じ粉が手に着くことでわかります

塗料の塗膜の劣化現象で、紫外線や風、雨水が原因で起こり、成分がチョークの粉のように浮き出てくる状態です。

外壁の劣化症状の中でもチョーキング現象が起きるのは、塗料の耐久性が失っており危険性が高くなっている証拠です。

チョーキング現象を見つけたら、早急に塗装し直さなければなりません。

2.ひび割れ(クラック)

塗膜やモルタル外壁にひび割れを起こしていると、隙間から雨が入り込み、壁の奥にまでカビや錆、腐食をもたらし事態は深刻です

見た目にも悪いですが、建物そのものの強度を低下させてしまいます。

塗膜の表面だけの塗膜のひび割れは、外壁塗装をし直すことで補修できますが、外壁そのものにひびがはいっているかどうかは、専門業者に点検を依頼し、早急な対策が必要です。

外壁の汚れ・コケ・カビ

外壁をふと見ると、どことなく汚れてすすけてきたなと感じた時は、塗り替えタイミングと考えた方がいいでしょう。

汚れやすくなることは、塗装面の防水性や強度が低下している証拠ともいえますので、塗装業者に塗り替えが必要か点検してもらうことをおすすめします。

カビやコケは殺菌が必要

もし汚れの原因がカビやコケの場合は、徹底的に殺菌対策が必要です。

カビやコケは水分を好み、一度根を張ると水洗いでは除去できず、すぐに再生する厄介な存在です。

カビやコケ対策に、殺菌洗剤を使ってバイオ高圧洗浄をするといいでしょう。

また再発を防ぐため、防カビ、防藻対策をした塗料もありますので、業者と相談して選んでもらってください。

外壁塗装で業者選びは季節より重要

業者選びに注意する


外壁塗装に限りませんが、リフォームで最も重要なのは業者選びです。

業者選びには下記の点に着目して賢く選んでください。

専用カメラや目視で正確に状況を説明できる

外壁の状態がどうなっているかを正確に確認してから見積もりを出してもらう必要があります。

外壁の状況は見える範囲だけでは判断できません。

高い所は見えないため、専用のカメラを用いて撮影したり、実際に登って目視して初めて状況を把握している業者といえます。

他方、いきなり訪問してくる業者や、外壁の状況を詳細まで把握しないで、十分な説明もしない業者は気を付けましょう。

またやたらと不安をあおってきたり、すぐに見積もりをだして契約までもっていこうとする業者は十分気をつけてください。

数社から相見積もりを取る

業者を選ぶ際の基本ですが、必ず数社から相見積もりを取るのは最善です。

見積書は業者が良いか悪いかの判断材料になるからです。

良い業者の見積書は、顧客目線でもわかりやすく、何にどのくらいかかるか、一目瞭然に書かれているものです。

納得がいくまで親切に説明してくれる

どんな作業や工事でも、素人では分かりにくい点が多いはずです。

業者のなかには、専門的なことを分かりやすく説明することを面倒がるところもあります。

ですが、質問しやすい親切な応対をし、不明な内容を納得がいくまで説明してくれるようであれば、信頼できる良い業者といえるでしょう。

外壁塗装については外壁番長にご相談ください。温暖化の影響で北陸地方の冬場でも作業は可能な場合もあります。
ご相談は無料です。20年以上、地元密着で信頼と実績を積み、親切丁寧にご説明いたします。

まとめ

外壁塗装は、気温と湿度といった気象条件に左右される工事です。

比較的、工事しやすい季節は春と秋ですが、その他の時期にも条件さえあえば施工は可能です。

また季節的な条件だけでなく、個々の事情に沿ったタイミングで施工時期を選択することもできるでしょう。

さらに劣化によるものは、季節や諸事情より優先される場合もありますので注意が必要です。

そして何より大切なのは、良い業者を選択することです。

丁寧で品質のよい仕上がりは、その後何年も快適にすごせるかどうかを決定づけるからです。

この記事を通して、外壁塗装をする上でのタイミングをうまく図り、塗装工事がうまくいきますように願っています。

記事の監修者

長江勝彦

長江 勝彦

1966年創業、外壁番長の代表取締役。地元、富山県を中心に住宅のリフォーム・塗装業務を行っており、これまで500件以上の施工実績を持つ。

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