外壁塗装で塗布量は必須!簡単な計算式と悪徳業者を見分ける方法

外壁を新しく塗り直して、美しい外観に生まれ変わった我が家を眺めるのは嬉しいものです。
ところで外壁塗装を正しく施工してもらうために、塗布量が必須ということはご存じでしょうか?


塗布量と聞くと、素人には馴染みの薄いことばですが、外壁塗装を行う際には塗料の量を決めるための必要な指針です。
なぜなら塗料の量によって、塗装性能に大きな影響を及ぼしてくるからです。

しかし塗料の量が適正かどうかは、仕上ったばかりではわからないので、うまく誤魔化す業者も存在しており注意が必要です。

そこで、簡単に計算できる塗布量のことや、なぜ塗布量を守ることが必要なのか?なぜ塗布量を知ることで、良い業者を選ぶのに役立つのかを解説します。

外壁塗装を検討されている方が、正しい知識持ち安心して施工に取り組めるよう、参考にしていただければ嬉しく思います。

外壁塗装で規定の塗布量を守るのは必須

この見出しからは次の4つ点を説明したいと思います。

  1. 塗布量の意味
  2. 塗料の重要な希釈率
  3. 規定された塗布量を守らない悪い結果
  4. 塗布量に幅がある理由

それでは下記に説明していきます。

塗布量の意味

塗布量とは、1㎡あたりに使用する塗料の量のことです。
各塗料のカタログやインターネットの商品サイトで規定の塗布量を確認できます。

ただし、規定塗布量はメーカーによって表現が違っており、なかには「使用量」としている場合もありますが、どの表現も単位が「kg/㎡」で記入されており間違えることはないでしょう。

外壁塗装においては、塗料の量が少なくても多くても、適正な厚みの塗膜は形成されず、塗料の性能を十分に発揮できないため、規定塗布量を守ることは必須といえます。

塗料の重要な希釈率

規定塗布量を適正に塗装するに際しては、規定の希釈率が守られていることが前提です。
塗料を使う場合は、水性塗料には水で、油性塗料には塗料用シンナーで、適正量で希釈される必要があります。

しかし、ここにも注意が必要です。
なぜなら適正の希釈率が守られず、やたら薄められた塗料で規定量の量を塗ったとしても、それは単なる手抜き工事でしかないからです。

見積に提示されていた必要な塗料の量が、実際に使われたかどうか確認することが必要となるでしょう。

規定された塗布量を守らない悪い結果

塗布量が適切でないと、取り返しがつかないことになります

規定の量が塗られていないと、耐用年数が10年もつはずが、わずか1~2年ほどで塗膜が弱くなり、ひび割れしたり剥がれたり色あせしたりする現象が生じてきます

またそれを修理するために高額な費用が必要とされることでしょう。

これらの弊害を考えると、規定された塗布量を守って作業してくれる業者選びの重要性がわかりますね。

しかし塗料の量が規定量でなくても、最近の塗料の性能は高く仕上がった直後は美しく見えるので、却って難点といえるかもしれませんね。

後述しますが、塗布量は簡単に計算できますので、自分でも調査するのは賢明といえます。

塗布量に幅がある理由

塗布量は「0.11㎏~0.25㎏/㎡」といった幅をきかせた表記がされています。

つまり外壁面積1㎡あたりの塗料の量が、110gと250gと倍以上の幅があるのです。

その理由は、実際に塗装する外壁には、さまざまな種類があるからです

ツルっとしたシンプルな外壁なら塗料は少なくて済みますが、凸凹のある外壁は表面積が大きくなる分、塗料も多く必要になります。
さらに塗料が浸み込みやすい外壁も塗料の使用量が増えます。

また、外壁の塗装面の劣化や傷みが激しい場合は、通常より2~3割も多く塗料を吸い込んでしまうため多く必要になってきます。

それで、外壁の素材や平たいかどうか、また劣化の進み具合で塗料の量が増減するなどが、塗布量に幅がある理由です。

外壁塗装で塗料の必要量を計算する

塗料の必要量の計算ときくと、複雑な計算式がありそうで面倒な感じがしませんか?

ですが実際はとても簡単ですし、知っておくとメリットもあります。
それでは下記で3つの点を解説します。

  1. 自宅の外壁面積の計算方法
  2. 塗料の量の計算方法
  3. ペンキ1缶で塗れる面積で分かる塗料の量

自宅の外壁面積の計算方法

外壁塗装の塗料の計算には、まず自宅の外壁の面積を求めることが必要です。

建物の図面があるとベストですが、なくても大まかな数値で十分参考になります。

たとえば、自宅が2階建てで、延べ床面積が1階部分で55㎡、2階は40㎡とします。

そして延床面積の合計95㎡に、1.2~1.7の係数をかけるだけで外壁面積を算出できます

ここで使う係数とは、計算上で無視されている窓など塗装しない部分もあり、そうした実物との差を調整するための数値です。

ちなみに係数は、延べ床面積が大きくなるほど小さい数字を使います。
この例の場合は1.2の小さい数字を使って実際の外壁面積に近づけていきます。

つまり例の場合は、95㎡×1.2=114㎡となり、外壁面積は114㎡です

外壁面積が計算できたら、次は塗布量から必要な塗料の量を計算していきますが、それは次で説明します。

塗料の量の簡単な計算方法

塗布量から必要な外壁塗料の量を計算する方法を説明します。

はじめに説明しますが、外壁塗装では2~3回の塗装が基本で、メーカーによって塗布量だけでなく、塗る回数も決められています。

たとえば、塗布量が0.11㎏/㎡で塗装回数2回塗りの塗料を使用するとします。
その場合の塗料の量を計算式は下記のとおりです。

0.11(塗布量)×114(外壁面積)×2(塗装回数)=25.08kg

通常の塗料は15㎏缶で販売されていますから、2缶購入すれば必要な塗料を用意できます

実際には、予備や塗料が飛散するロスも含めておかなければなりませんし、後述しますが3つの工程があるため、実際には塗料の必要な量はもっと多くなります。

しかし最低使用量の2缶だけでも理解しておくと、業者の見積もりで7缶と記載してあればおかしいと気づけますね。

こうした塗布量から塗料の量の計算方法を大まかでも知っておくと、業者の不当な利益を得ようとする悪意から身を守るメリットがあります。

ペンキ1缶で塗れる面積で分かる塗料の量

外壁塗装の塗料では、1斗缶で約100㎡以上塗れます

もちろんメーカーや塗布量の違いも考慮にいれますと、塗れる面積も変わってきますので一概には言い切れません。

しかし1缶で塗れる面積が分かると、必要な缶数の目安がすぐに分かるので便利ですね。

塗料でよく使われる容器である一斗缶は、塗料では15㎏入っています

塗料の15㎏の重さは、塗装工事現場の不安定な足場を、1人でも簡単に持ち運べるように考えられているといえるでしょう。

外壁塗装の塗布量は3つの工程で違う

外壁塗装には3つの工程があり、下塗り・中塗り、上塗りが基本です

しかし塗料によっては2度塗りだけですむものがあるので、施工業者に確認するとともに、メーカーと製品名を教えてもらって下調べができます。

外壁塗装では上記の3つの工程が基本になっている理由は、塗料の性能を十分に発揮させ、塗りムラや塗り残しをなくすためです。

なかでも外壁塗装では、下塗り剤は、中塗り・上塗りと密着性を高める性能があり、ほとんどの場合に必要な工程といえるでしょう。

また下塗り剤にはいくつかの種類があり、外壁の素材や劣化や傷みの度合いにより使い分けられ、塗布量も違ってきます。

そして仕上げになる中塗りや上塗りと、下塗りでは規定の塗布量が違っていますので、気をつけてください

上塗り剤と下塗り剤と二つの塗布量から、それぞれ使う使用量を算定しておく必要があります。

前述した計算式で、外壁面積と塗布量で使用する塗料の量がだいたいわかりますので、業者任せにしないで自分でも把握しておくのは賢明なことです。

外壁塗装で警戒すべき悪徳業者

塗布量を守らない業者には2タイプあります。

1つは知識や技術力が不足している場合です。

塗布量より多く塗料を使用する業者は、塗装についての知識不足や面積の計算の間違い、また塗料を多く使用すれば耐久性が増すという誤解をしていることがあります。

2つは悪意によるものです。

見積より少ない分量の塗料を仕入れておき、その少ない塗料で塗って仕上げ、浮いた差額分で不当な利益を得ようとする悪徳業者です。

また先ほどと同様に仕入れを誤魔化し、塗料の希釈率を守らず過度に薄められた塗料で塗る場合もあります。

塗料を希釈しすぎると、たとえ基準の塗装回数を塗ったとしても、塗膜は薄くなり規定の塗膜の厚みに至らず、すぐに剥げてきます。

どの場合も塗料の性能は十分に発揮できず、重大な施工不良に繋がりますので、信頼できる業者を見極めることは必須といえるでしょう。

見積を読み解いて良い業者を見分ける

塗布量から塗料の量を計算できると、塗装業者の見積もりの内容の詳細を理解できます。

すると見積自体が適切になされているか判断でき誤魔化されずにすみます。

見積を読み解けることは、不必要に高い費用を請求されないための自衛策といえるでしょう。

善良な業者もありますが、悪徳業者が後を絶ちませんので注意しておくことは肝要です。

また相見積もりをした場合、業者によって外壁面積の計算や塗料の値段に、大きな乖離があると、塗布量に関してどこの業者が間違っているか気づけるメリットがあります。

塗布量に関する知識は、見積から正しい提案ができる業者か判断できますので、誤魔化されることなく信頼できる業者を選定するのに役立つでしょう。

また塗布量計算アプリもあり、外壁面積と塗布量を入力するだけで必要な塗料の量を計算してくれる無料アプリがあります。

しかし個々の住宅の特性を考慮に入れた情報も必要となってきますので、信頼できる業者にアプリ上では測れない違いの説明をしてもらう必要が生じます。

塗布量や塗装の見積もりに関する相談は、1966年創業で信頼の歴史を持ち500件の実績を持つ外壁番長にお任せください。

塗料の量の仕入れ量を確認する

外壁塗装を始める際に、必要な塗料の仕入れができた段階で、塗装業者に塗料の出荷証明書を提出してもらいましょう。

出荷証明書とは塗料メーカーがどの商品をどれくらいの量を、塗装業者が仕入れたのか記載されています。

多少の言いづらさはあるかもしれませんが、双方の安心確認のためですから、使用する塗料の分量が規定どおり仕入れられているかのチェックは大切です

それでも完全に不正を防止できるわけではないのですが、手抜き工事などの抑止力にはなるでしょう。

まとめ

外壁塗装において、塗料の量を決める指針の塗布量を守るのは必須です。

塗布量はカタログで明記されていますから、簡単な計算式で外壁塗装に必要な塗料の量が計算できます。

また塗布量が守られないと塗料の性能を十分発揮できないばかりか、耐久年数より早く塗装がダメになってしまい再塗装の必要が生じ、多額の損害を被る結果となります。

規定の塗布量を守らない業者も存在していますから、業者の言いなりになって損をしたり、見積で誤魔化されたりしないために、塗布量の知識を持っておくのは重要です。

塗布量の知識は、塗装業者と相見積もりをする際に、良い業者を見分ける判断に役立ちます。

よい業者と出会って美しい外壁塗装を行い、大切な自宅を守りぬいてください。




記事の監修者

長江勝彦

長江 勝彦

1966年創業、外壁番長の代表取締役。地元、富山県を中心に住宅のリフォーム・塗装業務を行っており、これまで500件以上の施工実績を持つ。

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