【徹底比較】屋根材の種類と特徴まとめ!価格や耐用年数から選ぶポイントまで解説

「屋根材って色々あって違いがわからない」
「どの屋根材がおすすめ?」

そんな方のために、この記事では屋根材の種類と特徴をわかりやすく解説します。

屋根材を選ぶ時は価格や耐用年数、デザインなど、屋根材の特徴を押さえておくことが大切です。

全く知識がない方でも屋根材が選びやすくなるよう、なるべくわかりやすく解説します。

ぜひ最後までお読みいただき、屋根選びの参考にしてください。

屋根材の種類と特徴を比較

屋根材の種類は大きく分けて以下の4種類に分かれます。

  • スレート屋根
  • 金属屋根
  • 瓦屋根
  • アスファルトシングル

それぞれの特徴について解説していきます。

スレート屋根

スレートとは、粘板岩という石の一種のことです。

スレートは、本物の石を使った天然スレートと、セメントを固めてスレート風に作った化粧スレートの2種類に分かれます。

日本でスレートと言うと、一般的には化粧スレートを指します

化粧スレート

化粧スレートは、先述の通りセメントから作られた薄い板のような屋根材です。

「コロニアル」「カラーベスト」とも呼ばれますが、この2つは商品名です。

呼ばれ方は様々ですが、屋根材としてはどれも同じものになります。

化粧スレートの特徴は、軽いので耐震性に優れていることと価格が安価なことです。

そのため、長らく日本では人気の屋根材でした。

以前はアスベストが含まれている商品もありましたが、アスベスト入りの屋根材は2004年に製造・使用が禁止されています。

耐久性は30年前後です。

長持ちさせるためには、塗料の種類にもよりますが、10~15年に1回は塗装が必要です。

天然スレート

天然スレートは自然素材のため、希少でとても高価な屋根材です。

日本の一般住宅ではあまり普及していませんが、東京駅の屋根材として使われています。

重量があり、施工にも高度な技術が必要ですが、高級感のある見た目が特徴です。

また、メンテナンスはほとんど不要で、塗装も必要ありません。

金属屋根

日本の住宅で近年人気がある屋根材が、金属屋根です。

主な理由として、屋根材自体が非常に軽く、工事費用も安価な上、耐用年数も長いことが挙げられます。

金属屋根も使用する素材によって、いくつか種類があります。

ガルバリウム鋼板

現在最も流通している金属屋根が、ガルバリウム鋼板です。

ガルバリウム鋼板とは、ガルバリウムという合金でメッキされた鉄のことを言います。

耐震性・耐久性に優れていて価格も比較的安いので、コスパの良い屋根材として人気が集まっています。

耐用年数は、25~35年です。

こまめに塗装などのメンテナンスを行ってサビが出ないようにすれば、40年近く持たせることも可能です。

トタン

トタン屋根は、トタン(亜鉛メッキ鋼板)でできた屋根材のことを指します。

築年数が古いお家や、物置などの赤い屋根が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

軽くて安価である一方、耐久性には優れません

さらに、遮音性と断熱性も悪いことがデメリットです。

耐用年数は、10~20年程度です。

10年に1回塗装が必要になります。

銅板

銅板の屋根は和風住宅の屋根として使われていましたが、近年では少なくなっています。

銅板屋根の大きな特徴は、時間が経つことで緑青(ろくしょう)と呼ばれる緑色のサビができ、非常に味わいのある見た目になることです。

銅板屋根は、機能的にもたくさんのメリットがあります。

耐久性に優れ、塗装も必要なく耐用年数は60年を超えるとも言われています。

一方で価格が非常に高く、一般的な屋根材の2~3倍ほどになります。

需要の低下とともに、施工できる業者も限られてしまっているのが現状です。

瓦屋根

瓦屋根というと和風住宅のイメージかもしれませんが、色や形も様々で、洋風の住宅にも多く使われています。

使用する材料や形状によって、多くの種類があります。

粘土瓦

粘土瓦はその名の通り、粘土を焼いて作られた屋根瓦のことです。

「陶器瓦」「いぶし瓦」とも呼ばれます。

また、粘土瓦は形状や色の違いから「和瓦」「洋瓦」と分類されることもあり、そこからさらに細かい種類に分かれます。

基本的にはメンテナンスが不要で、塗装も必要ないのが大きなメリットです。

さらに、断熱性や防音性にも優れています。

一方、重量があるため耐震性が低下すること、工事費用が高いことがデメリットです。

耐用年数は50年以上と言われています。

セメント瓦

セメント瓦とはその名の通り、セメントと川砂を混ぜ合わせて作られた屋根瓦のことです。

1970~1980年代に人気の屋根材でしたが、現在では製造が中止されています

メリットは、デザイン性の豊富さと耐火性に優れていることです。

和風から洋風まで様々なデザインがあり、色や形も多くの種類があります。

耐久年数は30~40年ほどです。

ただし、割れやすいというデメリットがあり、こまめな点検をして補修や交換は必要になります。

また、10年に1回塗装が必要です。

瓦は塗装が不要というのは陶器瓦の場合で、セメント瓦は定期的に塗装をしないと劣化が進んでしまいます。

アスファルトシングル

アスファルトシングルとは、ガラス繊維にアスファルトを浸透させ、表面に石粒を吹き付けて作られる屋根材です。

6㎜程度のシート状のため扱いやすく、複雑な形状の屋根にも対応できます。

割れたりサビたりしない他、防水性・耐久性・耐震性にも優れています

ただ、非常に軽量のため風で吹き飛びやすいのが難点です。

耐用年数は20~30年ほどです。

塗装工事は一般的には必要ありませんが、美観を保つための塗装工事がされることもあります。

ただし、使える塗料は水性のみと限定されます。

最後に、それぞれの特徴を表にまとめます。

屋根材の種類特徴耐用年数メンテナンス
化粧スレート・耐震性が高い
・工事価格が安価
30年前後10年に一度塗装が必要
天然スレート・見た目に高級感がある
・重いため耐震性がやや低下する
・安価である
30~50年基本的に不要
ガルバリウム鋼板・総合的なコスパが良い
・軽量のため耐震性がある
・比較的安価
25~35年10~15年に一度塗装が必要
トタン・耐震性がある
・遮音性・断熱性は悪い
・安価である
10~20年10年に一度塗装が必要
銅板・軽量で耐久性がある
・味わいのある見た目になる
・高価である
60年基本的に不要
粘土瓦・耐用年数が長い
・断熱性・防音性が高い
・重量があり耐震性が低下する
50年基本的に不要
セメント屋根・現在は製造中止されている
・デザイン性が豊富
・割れやすい
30年10年に一度塗装が必要
アスファルトシングル・薄いシート状の屋根材
・耐震性・耐久性に優れる
・風で飛びやすい
20~30年剥がれた箇所の修復や塗装など

日本の住宅で人気の屋根材は?

現在、日本の住宅で人気の屋根材は何だかご存じですか?

2021年度の調査によると、屋根材のシェアは以下のようになっています。(参考:株式会社矢野経済研究所の屋根材市場に関する調査)

  • 金属屋根:63.2%
  • セメント系瓦:15.0%
  • 粘土瓦:13.4%
  • シングル材:5.6%
  • 石粒付金属:2.9%

スレートは、セメント系瓦に含まれています。

金属屋根と石粒付金属屋根は増加傾向にある一方、セメント系瓦は横ばい、粘土瓦は減少傾向です。

今後も金属屋根の人気は続いていくでしょう。

代表的な屋根の形状8種類

屋根材の種類だけではなく、屋根の形状によっても家全体の雰囲気は変わります。

ここでは代表的な屋根の形状8種類を紹介します。

切妻屋根

切妻屋根(きりづまやね)は、2枚の板を左右対称に合わせた三角屋根のことです。

最も一般的に用いられています。

寄棟屋根

寄棟屋根(よせむねやね)は、4つの屋根面によって構成される屋根です。

安定感のある外観になるため、人気のある形状に1つになります。

片流れ屋根

片流れ屋根(かたながれやね)は、片方に全面的に傾斜している屋根です。

スタイリッシュな見た目になり、屋根裏スペースが使えるなどのメリットがあります。

方形屋根

方形屋根(ほうぎょうやね)とは、1つの頂点から四方に傾斜している、四角錐のような形の屋根です。

正方形に近い形の建物で採用される屋根です。

入母屋屋根

入母屋屋根(いりもややね)は、切妻屋根と寄棟屋根を合わせたような形の屋根です。

高級感があるため、伝統的な日本建築によく使われています。

招き屋根

招き屋根(まねきやね)とは、切妻屋根の頂点をずらして片側が長く、片側が短くなっている屋根です。

屋根裏にスペースを取りやすく、片流れ屋根より構造的に強いのがメリットです。

はかま腰屋根

はかま腰屋根(はかまこしやね)とは、切妻屋根の妻側の上部に少しだけ屋根面を設けた形状の屋根のことです。

「半切妻屋根」「ドイツ屋根」とも呼ばれます。

陸屋根

陸屋根(ろくやね)とは、ほとんど勾配がない水平の屋根です。

他の屋根と比べて水はけは悪いですが、屋上スペースを活用できます。

屋根材を選ぶポイント

「屋根材の種類や特徴はわかったけれど、結局どれを選んだら良いかわからない」という方のために、屋根材を選ぶポイントを3つご紹介します。

すべての条件に合う屋根材が見つかることが1番ですが、そううまくいかないこともありますよね。

そこで、特にどのポイントを重視したいのか優先順位を決めておきましょう

家族間で考えが違う場合もありますので、事前に優先順位をすり合わせしておけると屋根選びがよりスムーズに進みます。

デザイン

お家の外観をどのように見せたいかを優先させたいなら、デザイン重視が良いでしょう。

屋根材によってお家の印象は大きく変わります。

例えば瓦なら高級感が出ますし、金属屋根ならスタイリッシュでモダンな印象のお家にできます。

屋根の色にこだわりたいなら、金属屋根やスレート屋根はカラーバリエーションが豊富です。

屋根・外壁材のメーカー・ケイミューの公式サイトでは、外観シミュレーションや施工事例の閲覧ができるので、ぜひ参考にしてみてください。

価格

価格も見過ごせないポイントですよね。

屋根材の価格の安い順に並べると、以下のようになります。

  1. アスファルトシングル
  2. スレート屋根
  3. 金属屋根
  4. 瓦屋根

ただし、価格が高い屋根材ほど耐久性も高くなる傾向があります。

施工時の価格(=イニシャルコスト)の安さに目が行きがちですが、メンテンナンスなども含めた長期視点での価格(=ランニングコスト)も考慮して屋根材を決めるようにしましょう。

耐久性とメンテンナンス

単純に耐用年数とメンテナンスの容易さのみを見ると、陶器瓦が1番です。

寺社仏閣などに使われている瓦の中には、何十年、何百年と経っているものもあることからも、その耐久性の高さが伺えます。

金属屋根やスレート屋根は、定期的な塗装が欠かせません。

塗装をせずに放っておくと劣化が進み、雨漏りを引き起こす可能性もあります。

きちんとメンテナンスをしておけば、どちらも20~30年程持つことが多いです。

どの屋根材であっても周囲の環境によっても耐久性は左右されますので、事前に屋根業者やハウスメーカーに相談してみるのも1つの手です。

まとめ:屋根材選びは特徴を知っておくことが大事

それぞれの屋根材の特徴と選び方について解説してきました。

どの屋根材にもメリットとデメリットがあり、それを踏まえて選ぶことが重要です。

見た目・価格・メンテナンス性など何を重視したいのか、優先順位を考えた上でベストな屋根材を選択してください。

記事の監修者

長江勝彦

長江 勝彦

1966年創業、外壁番長の代表取締役。地元、富山県を中心に住宅のリフォーム・塗装業務を行っており、これまで500件以上の施工実績を持つ。

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